【書評】相手を洗脳する文章テクニック⑥-1【人を動かす物語のパワー】
こんにちは、こうた(@arakou05)です。
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「人を動かす物語のパワー」というテーマにおける内容は以下の通りです。
- 「鎖につながれた象」の物語
- 物語が人を動かす理由
- 【物語を書くポイント⑴】ディテールにこだわって描写する
- 【物語を書くポイント⑵】最も注目を集めるのは「人の言葉」
- 【物語を書くポイント⑶】VAKで意識を内面に向かわせる・VAKをふんだんに使った例文・感覚を移動させると「暗示」にかかりやすい
- 話を「入れ子」にする
- ネステッドループの展開例
- ネステッドループはさりげなく
この本は、会話によるコミュニケーションでも重宝します。おしゃべりに自信があるという人も、そうではないという人も、ぜひタップしてみてください
「鎖につながれた象」の物語
物語は、ときに人の信念や価値観までも変えてしまうほどに大きな力を持つことがあります。
たとえば、成功哲学などでよく出てくる「鎖につながれた象」という物語があります。
象が逃げなかった理由
象が逃げなかった理由を本書から引用して紹介します。
お祭りの時期にやってくるサーカスを、毎年楽しみにしていたとある男の子。
とくに巨大な身体を揺らしながら曲芸をこなし、愛嬌のある表情で長い鼻を伸ばす象の演技が一番のお気に入りだった。
しかしその年、男の子はサーカスのテントの裏で、ちっぽけな杭につながれた象の姿を見て、ある疑問が生まれた。
「あれほどの巨体なら、いくらでも自由になれたはずなのに」
男の子は、逃げ出さない象のことが不思議でたまらなくなった。だから象の謎について父親、先生、周りの大人たちに聞いてみた。しかし誰もそのわけを知らなかった。
そんなある日、たまたま街にやってきたという賢人に出会った。男の子は他の大人に投げかけた、象の質問をしてみた。
すると、賢人は男の子の顔を覗き込みながら、こう答えた。
「サーカスの象が逃げないのは、生まれたばかりの小さな子象のときから杭につながれているからだよ」
その話を聞いた男の子は、生まれたばかりのか弱い象が杭につながれているところを想像した。
生まれたばかりの子象は、自分の身体から生えている4本の脚が何のためにあるのかを知ろうと、走り出してみる。
ところが、杭につながれた鎖が邪魔をして、自由に動きまわることができない。薄暗い部屋からわずかにのぞく外の世界を見てみようと、テントの緑に花を伸ばしてみても、やはり脚の鎖がやっかいだ。
押したり、引いたり、懸命になって鎖から逃れようとしたに違いない。
しかし、どんなにがんばっても、その鎖から逃れることはできなかった。子象にとって、その杭はあまりに大きすぎたのだ。
疲れはてては眠りにつき、次の日もまた同じことを繰り返す。次の日も、そのまた次の日も、、。そして、ついにある日、象は逃げることをやめた。脚についた鎖と杭は、こういうものなのだと理解した。
そう。これこそが、象が逃げない理由なのです。
あなたは、この物語を読んでどう思いましたか?
自分にはどうせできないと思い込んでいたことが、はたして本当にそうであるのか、思い返してみるきっかけになったのではないでしょうか。
物語が人を動かす理由
実際、この物語を読んで、「できない」という思い込みから向け出してチャレンジを始める人は、全世界で数えきれないほどいます。
この象の物語は、自分が勝手につくりあげたネガティヴな思い込みを認識させるのに大きな効果をもたらしてくれるのです。
たとえば、
という文章と、先ほどの象の物語とでは、どちらがより読み手の心を動かし、行動を起こさせることができるか想像してみてください。
なぜ物語はそこまで人を動かすのか?それは物語には、相手の意識を内面に向ける効果があるからです。
相手の意識の内面に働きかけられるということは、つまり、潜在意識に直接働きかけられるということなのです。
潜在意識に直接働きかけられるからこそ、物語は、人を動かすうえで、非常に効果的なツールとなるのです。
次回の記事では、人を動かすストーリーを簡単につくる秘訣を紹介していきます。
ポイントは3つです。
- 小説的な表現で細部まで詳細に描くこと
- 会話文(カギ括弧)を効果的に使うこと
- 五感を移動させていくこと
順番に解説していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。でもまだ本を買わないでください。このシリーズの記事を最後まで読んでから決めてください。
次回の記事はこちらです。
>> ⑥-2【物語を書く3つのポイント】