【書評】相手を洗脳する文章テクニック⑥-2【物語を書く3つのポイント】
こんにちは、こうた(@arakou05)です。
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Webライター時代のこと語ってます >> 【経験談】新卒フリーランスは甘いのか?【2年間を振り返る】
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「人を動かす物語のパワー」というテーマにおける内容は以下の通りです。
- 「鎖につながれた象」の物語
- 物語が人を動かす理由
- 【物語を書くポイント⑴】ディテールにこだわって描写する
- 【物語を書くポイント⑵】最も注目を集めるのは「人の言葉」
- 【物語を書くポイント⑶】VAKで意識を内面に向かわせる・VAKをふんだんに使った例文・感覚を移動させると「暗示」にかかりやすい
- 話を「入れ子」にする
- ネステッドループの展開例
- ネステッドループはさりげなく
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この記事の目次
【物語を書くポイント⑴】ディテールにこだわって描写する
1つ目に紹介する物語を書くときのポイントは、小説に登場するような表現方法によって、細部まで詳細に描くことです。
小説的な表現とは、つまり、文章を通じて読み手があたかも体験しているように書くことです。
たとえば、次の文章を読んでみてください。
上記は、物語というよりは、単なる記述に近い文章といえるでしょう。これでは、人を動かす物語にはなりえません。
しかし、もし次のような表現であれば、どうでしょうか?
あるコンサルティング会社をドロップアウトした25歳の若者がいました。
彼は、自分がサラリーマンには向いていないことに気づき、自分で会社を興そうと決意しました。そして、周りの友人たちにそのことを話しました。
でも彼らは一様に、「お前にはそんなこと絶対に無理だろう」と鼻で笑っていました。
しかし彼はやがて、本当に起業を成功させたのです。なぜ、彼が成功できたのか、それは、、、
いかがでしょうか?
前者は単なる記述に近いですが、後者は物語と呼べる文章になっています。
さまざまな行動や結果について、各登場人物や、語り手である自分自身の見たまま、感じたままの描写を駆使して細部まで表現しているからです。
この例文での「細部の描写」とは次のようなことです。
- 若者が働いているのはどんな会社か
- 若者の年齢は
- 若者の気づきとは
- 若者がした決意とは
- 決意について周りに何をしたか
- 周りの反応はどうだったか
ディテールまで細かく描くと、読み手の意識は自然と顕在意識から離れていき、読み手はしだいに文章で描いた世界の中に入り込んでいきます。
さらに、細部まで詳細に描くことで、読み手の想像力をかき立て、次がどうなっていくのかと注意を引くことができるのです。
細部まで詳細に描く練習とは?
物語を細部まで描くことは、たとえば、朝起きてから出かけるまでなど、日常の出来事を題材にしてみましょう。
書くときのポイント
- 「見えたこと」
- 「聞こえてきたこと」
- 「肌で感じたこと」
- 「行なった動作のこと」
上記のことを詳細に描くことです。ここで1つ例題を挙げます。
例題
解答例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本記事では、解答は記載しませんが、ポイントは以下の通りです。
- まるで現実に起こった話のように感じさせる
- 誰もがその先を知りたくなるような文章を書く
【物語を書くポイント⑵】最も注目を集めるのは「人の言葉」
2つ目に紹介する物語を書くときのポイントは、会話文をうまく使うことです。
人を動かす物語とは、相手にイメージを描かせるものです。そして何より、人の存在ほどイメージをかき立てるものはありません。
会話文にするのは、あなたが相手に考えさせたいことや行動させたいことにフォーカスするとより効果的です。
例題:部下にある無謀な行動を止めさせたい場合
あなたは会社の上司です。部下にはチャレンジしてみたい案件がありますが、部下がそれをすると失敗してしまうことをあなたは知っていたとします。
しかしその部下は、直接ダメと言っても、話を聞くようなタイプではありません。
こんなとき、あなたならその部下をどう説得しますか?
会話文をうまく使って、部下の行動を変えるように導いてください。
解答例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本記事では、解答は記載しませんが、ポイントは以下の通りです。
- 別の部下の失敗談という物語を交えてみる
- アドバイスをしたい部下自らを振り返らせるように導く
- 過去に失敗した本人の言葉を会話文として挿入させる
上記のポイントで書くことで、対象となる部下が「あっ、私もその人と同じだなぁ。私も失敗したら、周りに迷惑をかけてしまうのか、、だったら、事前に周りの意見を聞いておいたほうが良いのかな」と自発できてに思うように誘導できます。
そうして聞く耳を持ったあとであれば、なぜ失敗するのかという説明も、すんなりと理解してもらえることでしょう。
【物語を書くポイント⑶】
3つ目に紹介する物語を書くときのポイントは、五感を移動させることです。
VAKで意識を内面に向かわせる
相手の意識を内面に向けるために重要なのは、相手にVAKの感覚(視覚・聴覚・体感覚)を使わせることです。
VAKの感覚についてはこちらの記事を参考にしてください >> 【書評】相手を洗脳する文章テクニック③-3【相手の心を開く文章テクニック6選】
相手に何らかのアクションを起こさせるには、まずは心の中にイメージを構築してもらうことが必須です。
ここでいうイメージとは、以下のようなことで問題ありません。
- V:映像
- A:言葉や考え
- K:それらを取り組んだときの身体の感じ
VAKをふんだんに使った例文
次の文章を読んでみてください。
例文①
あなたはこのノートパソコンを欲しくなりましたか?
製品のスペックがわかっても、それだけで思わず「欲しい!」という気持ちにまでは到達しないのではないでしょうか。
では次の文章はどうでしょうか?
例文②
約1.5キロの軽量モデルで気楽に持ち歩け、外でも移動中でも、どこでも使いたい場所で使えるノートパソコンです(K)。このパソコンを持つだけで、あなたの可能性が大きく広がります(V)。
実際、このパソコンは最先端の性能を誇っているので、「仕事もスピーディにこなせる」と評価されています(A)。
14・1インチの画面に映し出される映像は、極めてクリアで色鮮やかです(V)。そして、最新のサウンドシステムは音楽や動画をハイクオリティの音質で再生します(A)。
キーボードは最新の技術で設計されていて、長時間快適に、そして簡単に使うことができます(K)。
今度は、購買意欲を刺激されたのではないでしょうか?
この2つの文章の違い
- ①:単なるノートパソコンの特徴の記述に過ぎない
- ②:VAKを移動させながら組み立てたストーリー仕立てになっている
そして、2つ目の文章を読むと、読み手は視覚・聴覚・体感覚を疑似体験するということに注目してください。VAKをふんだんに散りばめた文章となっています。
感覚を移動させると「暗示」にかかりやすい
実は先ほどの文章は、以下の順番で読み手の使う感覚が変化しています。
- K:体感覚
- V:視覚
- A:聴覚
- V:視覚
- A:聴覚
- K:体感覚
なぜ、VAKが移動する物語がよいのかというと、VAKが移動するたび、相手はその文章で表現された感覚をつかみ取ろうとして気持ちを内面に向けるので、潜在意識が優位な状態になりやすいからです。
感覚を刺激する言葉の例は、「VAKのタイプごとによく使う言葉」を参照してください。
感覚を使った表現力を身につける練習
次の文章を読み、どの感覚がそれぞれどんなイメージを描いているか感じてみてください。
- ①:彼には果てしない青い空のような可能性がある。
- ②:彼女は真っ赤な風船のような起こった顔で部屋に入ってきた。
- ③:絶望感が氷のように彼女を落ち込ませた。
- ④:鮮やかな花の香りはその美しい女性にプレゼントするのにぴったりだった。
- ⑤:泥棒はその家に入ったとき、お金の匂いがすると思った。
使用する感覚は、VAKだけでなく嗅覚や味覚を織り交ぜてもOKです。
ちなみに、この練習には正解はありません。文章からどんなイメージを想起するかは人どれぞれだからです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。でもまだ本を買わないでください。このシリーズの記事を最後まで読んでから決めてください。