【書評】相手を洗脳する文章テクニック⑤-1【前提挿入で勘違いさせる】
こんにちは、こうた(@arakou05)です。
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Webライター時代のこと語ってます >> 【経験談】新卒フリーランスは甘いのか?【2年間を振り返る】
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「相手をトランスへ誘うテクニック」というテーマにおける内容は以下の通りです。
- 情報は正確無比には伝えられない
- 日常でもよく使われる「前提挿入」
- 前提を上手に挿入するワザ
- 簡単に人をリードできる
- リンキングの効果的な使い方
- 大ざっぱに一般化して説得する
- 話を鵜呑みにさせたいときに効果的
- 「〇〇的」という表現で納得させる
- 同じ効果が期待できる名詞化
- 潜在意識は空白を埋めようとする
- 目的語を欠落させれば相手に解釈させることができる
- 可能性や必要性の助動詞で選択肢がなくなる
- 相手との円滑なコミュニケーションを図る
- 完全マスターするための最初の一歩
この本は、会話によるコミュニケーションでも重宝します。おしゃべりに自信があるという人も、そうではないという人も、ぜひタップしてみてください
情報は正確無比には伝えられない
この⑤シリーズで紹介するのは、ミルトンモデルの1つである「省略」「歪曲」「一般化」をうまく使う方法になります。
具体的な説明に入る前に、少しだけお話ししておかなければならないのが、人間のコミュニケーションのモデルについてです。
実は人間は、情報を伝えるとき、「省略」「歪曲」「一般化」という3つの歪みを持って情報を発信しています。
たとえば、「このご時世、みんな忙しくてたいへんだよね」とあなたが相手に言い、相手も「そうだよね」と同意してくれたとします。
しかし、相手は「世の中の不特定多数の誰か」と抽象的な意味で捉えていたらどうでしょう。解釈にゆがみが生じていますね。
本記事で解説するテクニックは、この「ゆがみ」を逆に利用し、催眠言語として活用するものです。
つまり、わざとあいまいな言葉を使って、相手に情報を補わせることで、YESを取りながら潜在意識に強く働きかける方法です。
日常でもよく使われる「前提挿入」
暗示の中でも比較的よく使われるのが、「前提挿入」というテクニックで、事実を故意に歪曲するテクニックです。
第1章で紹介したトイレの張り紙もこの手法でした。
たとえば、次のような文章があります。
何気ない文章ですが、よくよく考えてみると「購入する」という行為が前提となってます。
「検討する」という行為は、購入する前にやってくださいと書いてあります。
つまり、否応なしに商品を購入したあとの自分をイメージするということになります。商品を購入してもらうときに重要なのは、お客さんにその商品を購入するイメージをしてもらうことです。
たとえば、自動車セールスの次のようなトークがあります。
ここにも、「このクルマを購入するなら」という前提が隠されています。
したがって、お客さんの潜在意識の中に「買う」という前提を滑り込ませることができて、断られにくくなります。
前提を上手に挿入するワザ
前提を挿入する方法はたくさんあります。ここでは、とくに使いやすい5つの方法を紹介していきます。
前提挿入①:時間に関連する言葉を使う
- 〜の前に
- 〜のあとに
- 〜しながら
- はじまる
- 終わる
- すでに
- まだ
具体的には、
- 「宿題を終える前に話したいことがある」▶︎▶︎宿題を終えることを前提としている
- 「あなたがこの仕事を終えたあとに、打ち合わせをしたい」▶︎▶︎相手がその仕事を完了することを前提としている
また、広告文などで「あなたはまだ、高い費用を払い続けるのですか?」と書けば、「今、あなたは高い費用を払っているんですよ!」と感じさせて、話を展開させることができます。
前提挿入②:順番に関連する言葉(序数)を使う
- 最初に
- 2番目に
- 3番目に
- 最後に
- 先に
たとえば、セミナーのアンケート用紙に、
と書いておけば、最初に何か1つの行動を起こし、そして、次に別の何かを行動するということが前提となります。
もしこれを、
と書いていたら、あまり大きな効果を期待できないでしょう。行動するか、しないかという選択肢を選ぶように命令しているだけだからです。
しかし、「まず何からはじめられますか?」と順序を問いかけることで、相手に「それなら最初はアレかなぁ」と実行する自分をイメージさせることができます。
前提挿入③:A or Bを使う
- AかB
- AやBあるいはC
- さもなくば
- または
選択肢を与えることで、少なくともいずれか1つがなされることを前提としています。
前提挿入④:自分の気づきを話す
- 知る
- 気づく
- わかる
- 理解する
- 注目する
これらの言葉は、文章のすべてを前提にすることができます。
具体的には、
- 「あなたががんばり屋さんであるということを、私は知っています。」▶︎▶︎私は、あなたに頑張ってほしいと思っているというメッセージを送っている
- 「あなたは自分の魅力に気づいていますか?」▶︎▶︎読み手に魅力があることが前提となっている
前提挿入⑤:副詞や形容詞をたくみに使う
たとえば、
「英語を学んでいる、少なくともまったくの無関心ではない」という前提が挿入されています。
そのほかにも、
この文は、「相手がこの文章術をマスターすること」が前提になっています。
次回の記事では、接続語で相手をリードする「リンキング」について解説していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。でもまだ本を買わないでください。このシリーズの記事を最後まで読んでから決めてください。
次回の記事はこちらです。
>> ⑤-2【接続語で相手をリードする】